概要
高速道路や一般道路の整備に係る各種調査や計画策定支援、
道路整備効果の評価・研究、道路整備計画の広報周知・PRの支援など、
我が国の道路交通政策を支える様々な業務を行っています。
「道路」は、自動車を利用する人のみならず、例えばライフラインの収容を含む道路空間の活用、物流での恩恵などを含めると、全国民の毎日の暮らしを支えているといっても過言ではないでしょう。
しかし、我が国の高速道路の整備水準は他の先進国等に比べて低いといわれています。一方、社会インフラの老朽化対策、災害に備えた強靭化のための対策、道路システムのDX化への対応、また人口減少・高齢化等により厳しさを増す財源確保など、課題が多様化、深刻化しており、高速道路を含む「道路」は、従来以上にエビデンスに基づく効率的かつ計画的な整備・運用が求められています。
地域未来研究所は、上記に対処するため早い段階よりICTやビッグデータ活用に着目するとともに、高度かつ最先端の技術を駆使して、道路交通に係る各種調査や計画づくり、評価・検証等に取り組むことで、より豊かな国民生活の実現を目指しています。
主な業務内容
- 道路網計画
- 交通需要予測
- 交通量推計
- 交通流動解析
- 整備効果分析
- 交通管制システム
- 交通制御
- 交通アセスメント
- 地区交通計画
- 渋滞対策
- 物流対策
- 路上工事交通影響分析
- ビッグデータを活用した各種分析
- 交通安全対策 など
主な業務実績
将来の自動車交通量を予測し、高速道路ネットワーク計画づくりに活かす
本業務では、毎日、大量の自動車交通が利用する阪神高速道路において、計画中の路線を含めた道路網を対象に、利用者均衡配分手法を用いた交通量推計を行うとともに、結果分析や社会・経済便益の算出、評価などを通じて、暮らしや経済を支える今後の高速道路ネットワーク検討を支援しました。
なお当社は、これまでにも数多くの交通計画に携わり、京阪神都市圏を中心に、中京圏等多くのエリアで、高速道路や一般道も含めた交通量推計を行っています。
- 業務名
- 2021年度交通量推計業務 [令和3年度]
- 発注者
- 阪神高速道路株式会社
今ある「道路」をもっと便利で使いやすくするために
京阪神都市圏の道路では、2025年に迫る大阪万博による交通集中、またリフレッシュ工事での通行止めなどの深刻な交通渋滞による交通流動変化を捉えることが課題の1つといえます。
本業務では、複雑な料金設定にも対応可能な交通量配分システムを構築し、料金施策等の取り組みが交通流動に与える影響分析など、既存の道路資源のより有効な活用に向けて検討しました。
- 業務名
- 2020年度交通量推計業務 [令和2年度]
- 発注者
- 阪神高速道路株式会社
3大都市圏の高速道路をより賢く使うための料金体系について検討
我が国では、国土幹線道路部会の基本方針における「料金の賢い3原則(高速道路を賢く使う上で共通の理念)」に準じ、高速道路料金の見直しを進めています。
本業務では、トラフィックカウンター(トラカン)やETCデータ、ETC2.0プローブ情報等を用いて大都市圏(首都圏・近畿圏・中京圏)における高速道路の利用実態を分析し、現在導入されている料金体系の課題整理、及び今後高速道路をより賢く使うための料金体系の検討を行いました。
- 業務名
- 令和3年度大都市圏の新たな高速道路料金に関する調査等業務 [令和3年度]
- 発注者
- 国土交通省道路局
近畿圏全体の道路計画のベースとなる大規模調査データをチェック・分析
全国道路・街路交通情勢調査(旧称:道路交通センサス)は、道路の使われ方や道路整備の現状を把握して今後の道路計画の策定や道路の維持管理等に活用するために行われる調査で、一般交通量調査と道路交通起終点調査(OD調査)から構成されています。この調査は約5年に一度の頻度で全国一斉に実施されており、得られた調査結果は自治体や高速道路会社の様々な業務で長年に渡って活用されるため、我が国にとって非常に重要な位置付けの調査になります。
本業務では、近畿地方整備局管内におけるこれらの調査を円滑に実施するために事前の準備や調整を行い、また、得られた調査結果についてチェックを行い、結果の妥当性や過去の調査との比較による全体的な整合についての分析を行いました。
- 業務名
- 近畿管内道路交通調査集計分析業務 [令和3年度]
- 発注者
- 国土交通省近畿地方整備局
安全な道路交通実現に向けて、ビッグデータの活用方法を検討
近年、ICT技術の急速な進歩によって様々なビッグデータが登場しており、道路交通の分野でも従来から存在した道路側に取り付けられたセンサーの情報に加えて、カーナビやスマートフォンによって車両や人などの移動する側の位置情報を取得した「プローブデータ」と呼ばれるビッグデータも活用されています。これらのビッグデータを元に地域間の移動や渋滞発生といった時々刻々と変化する交通状況の把握が可能となり、安全・快適な道路づくりへの活用がされています。
本業務では、交通安全対策の高度化に向けたデータの的確な利用方法について検討することを目的に、ETC2.0プローブ情報により示される急減速等の発生状況と、交通事故データベースやドライブレコーダーのデータを突き合わせることで、急減速の発生状況や発生要因の特性について分析・整理を行いました。
- 業務名
- ETC2.0プローブ情報から得られる急減速等の発生特性整理業務 [平成28年度]
- 発注者
- 国土交通省国土技術政策総合研究所
高速道路の定量的・定性的な整備効果を検証して、広く国民に広報・PR
高速道路会社では、国土の骨格を成す道路整備を進めるだけでなく、整備後の効果検証やその周知も重要視されています。本業務では、新名神高速道路、東海北陸自動車道、東海環状自動車道の新規開通区間等を対象として、道路交通データ(トラカンデータやETC2.0プローブ情報、渋滞・事故・通行止め情報等)や社会経済データ等の収集・分析、関連自治体や企業等へのヒアリング調査等により、渋滞緩和、観光や防災等様々な側面から整備効果を把握するとともに、これらを国民にわかりやすく周知するためのパンフレット等の作成を支援しました。
- 業務名
- 2019年度 名古屋支社管内 開通整備効果検討業務 [令和2年度]
- 発注者
- 中日本高速道路株式会社名古屋支社